愛媛県の喜多郡内子町にあるアウトドアショップ「洋燈屋ICHI」。店内に入るとランプ独特の香りが広がり、優しい炎に癒されます。
洋燈(=ランプ)の名が示すとおり、オイルランプやヴィンテージランタンを数多く取り扱うショップです。
その他には、クラフターによって造られたカスタムオピネルや焚き火台、テーブルなど魅力的なアイテムが展開されています。以前からお世話になっている、店主の西山洋一さん(通称ICHIさん)にお店を作ったきっかけやコンセプトについて詳しくお話を聞かせてもらいました。
もはやアウトドアショップというよりもライフスタイルブランドだと感じました。
【店舗情報】洋燈屋ICHI
所在地 | 〒791-3301 愛媛県喜多郡内子町内子2627 町並みテラス101 |
営業時間 | 平日 12時〜17時 土日祝祭日 11時〜18時 (定休日:水曜日) |
電話番号 | TEL0893-57-6234 |
ホームページ | https://ranpuyaichi.com/ |
SNS(Instagram) | https://www.instagram.com/ranpuyaichi/ |
営業や臨時休業のお知らせは、Instagramのストーリを要チェックです。また最新アイテムやイベント情報なども発信されているので要チェックです。
お店を始めたきっかけと時期
「自分の好きなものを共有したい」という想いを形にするために「洋燈屋ICHI」をオープンしたICHIさん。店内に入った瞬間からカウンターまで、たくさんのオイルランプが並んでいます。
お話しをする中で、アメカジの影響を強く受けていることが分かりました。
≫【最高の癒しアイテム】オイルランタンの使い方とメンテナンス方法を解説!
アメカジ好きがお店作りに影響
ICHIさんが現在に至ったルーツは、学生時代からアメカジ好きだったことが影響しています。その当時、アメリカ映画を観てアメカジのファッションや文化を学んでいたそうです。
アメカジの影響でバイクにも興味を持ち、やがてツーリングキャンプへと愉しみ方の幅が広がっていったそうです。
【オープン日】2020年7月26日
2020年7月26日にオープンした「洋燈屋ICHI」。オープンして1年ほどは、その当時の本業と平行して営業されていたそうです。
日本全国の人達が外出を控えていた時期で、町にも人が全然歩いていない時期を乗り越えて、今があります。
2024年に7月26日には4周年を迎えました。おめでとうございます!
【店舗のコンセプト】内子町の伝統と洋灯(ランプ)との共通点から誕生
店舗のコンセプトは、内子町の木蝋とランプのパラフィン(石蝋)に共通した「蝋」による炎の「癒し」だと語るICHIさん。
愛媛県内子町は、かつて木蝋で栄えていました。洋燈屋ICHIの所在する地区は、当時の町並みを感じられる「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。
内子町の繁栄を色濃く残す「重要伝統的建造物群保存地区」
洋灯屋ICHIのアイテム制作に影響を与えた「なまこ壁」や「名栗加工」。これらの技術や工法を用いた建造物が内子の町並みの中に見受けられます。
洋燈屋ICHIでは、内子の町並みを活かしたアイテムが展開されています。内子町ならではのアイテムの話を聞いてから町並みを散策するのも楽しいですよ。
周辺には重要文化財に指定されている1916年に建設された芝居小屋「内子座」があります。また八日市護国地区の最上部には立派な涅槃像が佇む「高昌寺」があります。
洋燈屋ICHIでのショッピングを楽しめるだけでなく、観光地としても楽しめるエリアです。
江戸時代後期から明治期にかけては製蝋業の中心地として栄え、漆喰塗屋造りの重厚な建物が数多く残されている。
昭和57年に重要伝統的建造物群保存地区に選定され、歴史的環境を維持する……
引用:国土交通省 都市景観 内子町八日市・護国地区
オイルランプの燃料「パラフィン(石蝋)」と内子町で栄えた「木蝋」
オイルランプの燃料として使われるパラフィンは、和名で「石蝋」と呼ばれます。内子町で栄えた「木蝋」とは原材料が異なりますが、「蝋」という共通点があります。
以下、石蝋と木蝋の原材料です。
- パラフィン(石蝋)の原材料:石油
- 木蝋の原材料:ウルシ科のハゼの木から採れるハゼの実
大森和蝋燭屋について
現在、内子町では、「大森和蝋燭屋」というお店が唯一、木蝋による和蝋燭を作り続けています。
1本1本手作りで、和蝋燭を制作しています。ホームページ上に和蝋燭を作る工程を掲載されているので、是非ご覧ください。
洋燈屋ICHIの最寄りには、当時の商人の建物である「木蝋資料館 上芳我邸」があります。木蝋の歴史や豪商の建物内を見学できます。
キャンプやアウトドアに対する個人的な楽しみ方や関わり方
ICHIさんがどのようにキャンプを楽しんでいるかお話を聞かせてもらいました。
ICHIさん「学生の時に友達の親がキャンプに連れて行ってくれて、いいなぁーっていう想い出があって、自分でバイクを買ってからは羽がはねたようなもので、それからはツーリングキャンプにどっぷりでした。
雨の日のキャンプで、目が覚めたら身体半分が水に浸かってたこともありました。今は家族で行くキャンプが楽しいですね。」
今後の展望
洋燈屋ICHIの今後の展望についてお伺いしました。運営方針のお話しをする中で、クラフターの人たちとのモノ作りのスタンスについてもお話を聞かせて頂きました。
今後の展望
ICHIさん「どーんってお店を広めるようなことは考えていなくて、水平ギリギリを維持しながら、ゆったり続けていきたいと思っています。
自分が面白いと思う物を作って、来てくれたお客さんに共感してもらえたら嬉しいです。」
洋燈屋ICHIとクラフターによるモノ造り
ICHIさん自身がシェードやアイロンランプ、ククサなどのアイテムを手掛けるなかで、様々なクラフターと関わりながらモノ造りを愉しんでいます。
ICHIさん「フィーリングの合う人たちと一緒にモノ作りが出来たらいいと思っています。」
そう語るICHIさん。
ご自身もコレクションしているカスタムオピネル(@hyderさん)の歴史や内子の町からインスパイアされたデザインのアイテムをご紹介してもらいました。
筆者もレザークラフターとして、ランタン用のエプロン製作を手がけています。
ICHIさんが手掛けるIRON RAMP
IRONBOTTLEにデッドストックの国産バーナーとホヤを組み合わせた洋燈屋ICHIのオリジナルランプ。小型軽量なオイルランプで、持ち運びしやすいのが魅力です。
そのまま使用するには安定感がないのですが、磁石がつくのでアイアン系のテーブルと組み合わせて使うのがおすすめです。
僕は磁石を使って尾上マルチハンガーに取り付けたり、磁石を埋め込んだレザーコースターと組み合わせて使ってます。
「OPINEL CUSTOM」
@hydrey9さんが手掛けるカスタムオピネル。銘木をつかった寄木やインレイによる装飾など時間をかけて1本1本丁寧に製作されています。Instagramの方で、製作途中の様子など発信されているのでチェックしてみてください。
「RAY-1 APRON」
栃木レザーなどの本革を使ったリバーシブルのランタンエプロン。デイツやフュアハンドの給油口に取り付けるカスタムアイテムです。
この他にもクラフターによるテーブルや焚き火台など皆さんの作品がずらりと並んでいます。是非、お店で直接眺めてみてください。
お店のロゴとお客様に対する想い
取材時には、オリジナルアイテムのロゴとして使用されている「RAY-1」や「アウトドアモンスター」に関するエピソードも聞かせて頂きました。
特に「RAY-1」に関して、ICHIさんの熱い想いを感じました。是非、お店を訪れた際にロゴの秘密だけでなく、気になったアイテムの歴史についてもICHIさんに聞いてみてください。
最後にお客様や読者へ一言
「最後に、お店を訪れるお客様やこのブログの読者へ一言お願いできますか。」
ICHIさん「生活の一部に取り入れてもらえるようなアイテムをご提供できればと思っています。
是非、見つけにきてください。」
「ライフスタイルに合うようなアイテムをみつけて、共感してくれると嬉しいですね。」
ICHIさん「そうですね!共感してくれると嬉しいです。
強要はしたくないので、オリジナルアイテムのシェードやアイロンランプには、あえてロゴを入れてないんです。
買った人が自ら塗装したり、文字入れをしたり出来るような余地を残しています。
ただ、ロゴ入りを求めてくれるお客さんもいるので、ステッカーやロゴ入りのアイテムも展開しています。」
アウトドアモンスターと洋燈屋ICHI
全国各地に存在するアウトドアモンスター。洋燈屋ICHIから姿を表したのは、古いランプ等に宿ると言われているモンスター。
アウトドアデザインユニットLockさん(@outdoor_design_unit_lock)によって生み出されました。洋燈屋ICHIの一部のアイテムに、そのデザインが使用されています。
別の記事で紹介しているのですが、宮城県にはササニシキのアウトドアモンスターが存在します。