キャンプで使うランタンには色々な種類がありますが、その中でも「オイルランタン」は優しい炎で雰囲気を楽しめるアイテムとして人気です。この記事では、オイルランタンの魅力や使い方、メンテナンス方法について初心者向けに解説します。
この記事を読めば、オイルランタンを安心して使えるようになりますよ!
オイルランタンの魅力
オイルランタンの最大の魅力は「優しい炎」です。LEDのランタンとは違い、暖かく揺れる炎がキャンプの夜をリラックスした時間に変えてくれます。
また、シンプルな構造で、壊れにくく長く使えるのも特徴です。一度使うと、その癒し効果にハマってしまうかもしれません。
ランタンの炎と癒し効果 「1/fゆらぎ」
オイルランタンの炎は、ただ明るさを提供するだけでなく、その揺らめきが心に安らぎを与える効果があることが知られています。この癒し効果は「1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)」と呼ばれています。
…1/fゆらぎは快適性と関係があることが判明している。人間の生体は五感を通して外界から1/fゆらぎを感知すると、生体リズムと共鳴し、自律神経が整えられ、精神が安定し、活力が湧くと考えられている……
キャンプ用のテーブルランプに最適
オイルランタンは、優しい炎だからこそキャンプでのテーブルランプに最適です。キャンプサイト全体を照らすような照明をテーブルに置いてみると、かなり眩しいことが分かります。
夜間だからこそ豆電球相当のオイルランタンの明るさがテーブルランプとしておすすめです。とはいえ豆電球相当の明るさでは暗くて食事がしづらいのも事実です。明るさが足りないと思う場合には、キャンプサイト全体を照らすメインのランタンを別で用意しておきましょう。
オイルランタンにリフレクターを付けると、より広範囲を明るくできますよ。いろんなブランドから販売されていますが、筆者は「洋燈屋ICHI」のオリジナルシェードを使ってます。
≫愛媛県内子町のアウトドアショップ|蝋による炎の癒しを提供する「洋燈屋ICHI」
オイルランタンの各部名称・構造・仕組み
オイルランタンはシンプルな構造ですが、それぞれの部品がどんな役割をしているか知っておくと、使い方がさらに分かりやすくなります。
- ホヤ:ガラスでできた透明な部分。炎を風から守る役割をしています。
- 芯(しん):燃料を吸い上げて炎を灯す部分。ウィックとも呼ばれる。長さや形を調整することで、炎の大きさを変えられます。
- タンク:オイルを入れる部分。燃料をここに入れて使います。
- ハンドル:持ち運びや吊り下げるための部分。
オイルランタンの燃料
オイルランタンで使う燃料には、「灯油」や「パラフィンオイル」があります。初心者には、臭いが少なくて、煤(すす)が出にくい「パラフィンオイル」をおすすめします。
灯油は安くて手に入りやすいですが、燃やす時に独特のにおいがあるため、好き嫌いが分かれます。
灯油 | パラフィンオイル | |
原料 | 石油から精製 | 石油ベースの高度精製油 |
燃焼温度 | やや高い | 低め |
におい | 独特のにおいがする | 無臭またはほぼ無臭 (香料入り) |
煙の発生 | 燃焼時に少し発生することがある | 煙の発生は非常に少ない |
燃焼時間 | 長め | 短め |
価格 | 比較的安価 | 灯油より高価 |
入手方法 | ガソリンスタンド・アウトドアショップ・ホームセンター | ネット・アウトドアショップ・ホームセンター |
使用場所 | 屋外での使用に適している | 屋内でも使用しやすい |
灯油
灯油はガソリンスタンドやホームセンターで購入が可能です。入手しやすくパラフィンオイルよりも安価に販売されています。購入時には、小型のポリタンクに灯油を補充すれば持ち運びも楽で便利です。
灯油独特のにおいが気にならなければオイルランタンの燃料として非常におすすめです。
僕は複数のオイルランタンを使用するので、コスパ重視で灯油を使用しています。パラフィンオイルと比較して煤が出やすいと言われますが、ランタンの芯を出し過ぎているのが主な原因です。
パラフィンオイル
パラフィンオイルは、灯油と比べて煤(すす)やにおいが非常に少なく室内でも使いやすいのが特徴です。
アウトドアショップやホームセンターなどで取り扱いがあります。Amazonや楽天などネットで購入できるのは便利ですが、灯油と比べると値段が高いのがデメリットです。
においがほとんどしないタイプだけでなく、良い香りがするタイプや防虫効果のあるタイプも販売されています。
オイルランタンの使い方
オイルランタンを初めて使う人向けに、使い方を簡単に説明します。
使用から消灯までの手順は下記の通りです。
- 燃料を入れる
- 芯(ウィック)を調整する
- 火をつける
- 炎の大きさを調整する
- 消灯時は吹き消す
1. 燃料を入れる
まず、タンクに灯油やパラフィンオイルを入れます。満タンにしないで、タンクの8分目くらいまで入れるのがポイントです。
10分ほど待てば芯に燃料が染み込んでいきます。燃料が馴染めば点灯することができます。
2. 芯(ウィック)を調整する
芯を少し出しておきます(出しすぎると炎が大きくなりすぎてしまうので注意)。芯は燃料を吸い上げる重要な部分です。
3. 火をつける
ランタンのホヤを持ち上げて、芯に火をつけます。マッチやライターを使って簡単に着火できます。
着火したらホヤを下げてください。
4. 炎の大きさを調整する
火力調整つまみで芯の出る長さを調整して、炎の大きさを自分好みに変えましょう。炎が大きすぎると煤(すす)が出やすくなるので、小さめがベストです。
着火した後は、芯は見えないくらいに調整すれば、灯油を使っても煤はほとんど出ません。また芯も長持ちします。
芯がすぐになくなる人は、芯を出しすぎている可能性があります。明るさを足したいなら別のランタンを追加するのがおすすめです。
5.消灯は吹き消す
消灯時は、ホヤを持ち上げて吹き消します。火が完全に消えていないと燃焼し続けるので、芯がタンクに落ちない程度に短く調整しておきます。
使用後の燃料は抜き取る
残った燃料は帰る前に抜き取っておきましょう。入れっぱなしだと持ち運び時に漏れてしまう恐れがあります
ぼくは抜き取るのが手間なので燃やし切るようにしています。例えばフュアハンドだと10時間前後は燃えるので、明るい時間から点灯させています。
オイルランタンのメンテナンス方法
オイルランタンはメンテナンスをきちんと行えば、長く使えるアイテムです。メンテナンスのポイントを押さえておきましょう。
1. 使用後の芯の確認
ランタンを使った後は、芯が焦げて短くなっていないか確認します。焦げた部分はハサミでカットしておくと、次回使う時もスムーズに火がつきます。
2. ホヤを掃除する
炎を灯すと、ホヤの内側に煤(すす)汚れが付くことがあります。煤は燃えかすのようなものなので、乾いた布やティッシュで軽く拭き取っておくと、きれいな炎を保てます。
煤汚れがひどい場合には、中性洗剤で洗うとキレイになるので試してみてください。
使用感があるのも味としてカッコいい気はするのですが、ホヤを掃除すると炎が綺麗にみえるし明るさも増しますよ。
3.芯(ウィック)のまわりのパーツを掃除する
芯のまわりのパーツを掃除しましょう。芯のまわりには、煤汚れや飛んできた虫などがたまります。隙間が詰まると、芯の出し入れがしづらくなります。
ホヤと同様に中性洗剤で汚れを落とし、水分を拭き取ってしっかりと乾かしてから使用してください。
4. タンクの中を空にする
長期間使わない時は、タンクの中に残った燃料を抜き取っておくと安心です。燃料を放置すると、劣化してしまうことがあるからです。
また、野外では結露が発生しやすく、タンク内の燃料に水が混じることがあります。水分が多いと燃焼しづらくなるので注意しましょう。
キャンプへの持ち運び時や使用時の注意点
キャンプにオイルランタンを持って行く時や使用時には、いくつかの注意点があります。
持ち運び時の注意
- タンクは空にする:移動中に燃料がこぼれてしまう可能性があるので、持ち運ぶ時はタンクを空にしておくと安全です。
- 専用ケースに入れる:ホヤが割れやすいので、ランタンを専用のケースに入れて保護しましょう。
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使用時の注意
- 火の管理に気を付ける:オイルランタンは火を使うので、周囲に燃えやすいものがないか確認してから使いましょう。
- 本体が加熱される:使用時はホヤやその上部が加熱されます。触ると火傷するので注意しましょう。移動させたい時はハンドルで持ち運びましょう。
ちなみにオイルランタンの上部が加熱されることを活かしたアイテムも販売されています。飲み物を温められるカスタムパーツです。
ランタンとランプの違い
キャンプ用品やインテリアに関して、「ランタン」と「ランプ」という言葉を聞くことがありますが、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。実は、似たような役割を持ちながらも、いくつかのポイントで違いがあります。
ランタンはランプの一種
ランタンは、持ち運びがしやすいように設計された携帯型の照明器具です。キャンプやアウトドアでの使用を目的としたものが多く、風に強い構造や吊るすためのハンドルが付いているのが特徴です。
オイルランタンやLEDランタンなど、燃料や電源の違いはありますが、どれもアウトドアや移動時に便利な灯りとして活躍します。
ランプとは?
一方、ランプは固定型の照明器具として使われることが多く、インテリアとして室内で使われることが一般的です。古くはオイルを燃やして光を得る「オイルランプ」や、電気を使う「デスクランプ」など、比較的動かさずに置いて使用するイメージがあります。
デザイン性も高く、室内をおしゃれに彩るアイテムとして人気です。
ランタンとランプの違いまとめ
ランタン | ランプ | |
用途 | アウトドア、携帯型 | 室内、固定型 |
構造 | 風に強く、持ち運びやすい | デザイン重視、固定して使う |
燃料 | オイル、LED、電池など | 電気、オイルなど |
主な使用シーン | キャンプ、登山など屋外 | 室内、インテリアとして |
ランタンは、キャンプなどのアウトドアで持ち運びしやすく、風に強い構造が特徴です。一方、ランプは室内の固定型照明として使われ、デザイン性も重要視されることが多いです。どちらも灯りを楽しむためのアイテムですが、使用シーンや目的によって使い分けると良いでしょう。
まとめ「オイルランタンの魅力を楽しもう!」
オイルランタンは、その優しい炎と雰囲気がキャンプの夜を特別なものにしてくれます。使い方をしっかり覚えれば、メンテナンスも簡単で、長く愛用できるアイテムになるでしょう。
ヴィンテージのランタンを収集しているコレクターの人がいるほど人気なアイテムです。一度この癒しアイテムを使ってみると、手放せなくなるかもしれませんよ!
別の記事でご紹介しているのですが、筆者の地元である愛媛県には「洋燈屋ICHI」という素敵なお店があります。フュアハンドやデイツをはじめとしたランタンだけでなく、屋内でも楽しめるオイルランプが種類豊富に並んでいます。是非お気に入りのランプを探してみてください。